夏はもう終わりだというのに、凄まじい動画がYouTubeにUPされました。
鹿児島県志布志市が特産品の養殖ウナギを題材にして、ふるさと納税をPRするための動画らしいのですが…。
www.youtube.com
真夏のプールで、一人の美少女と出会います。彼女は一言「養って・・・」という刺激的な言葉を・・・驚きのラストもさることながら、上質でどこか懐かしさを感じる映像に、思わず見入ってしまうことでしょう。
批判が多かったのか、今はコメントも評価もできなくなってますね。
内容はウナギの擬人化ムービーですが、擬人化した姿は相変わらず手垢まみれの美少女。
しかも寂れたプールというシチュエーションに、ブルマ幻想に似通った都合いいチンコノスタルジーを感じさせるような機能性が全く感じられない古臭いデザインのスクール水着。
(なぜか秋も冬もこの水着姿で、ウナギなら全身黒で包めばいいのに)
少女からの「養って」というセリフ。
男性側の「出来る限りのことをしてやる」という一方的なよくわからん覚悟。
当然、蒲焼きにされて食べられるのだが、これじゃ完全に食人イメージがついて、ますますなんで人間の姿にさせたのか分からない。
未成年の女性と食用ウナギは、同じじゃありません…。
何が怖いって、これ最後また別の少女に同じセリフ言わせてる。
内容が未成年への監禁を思わせる上に、ウナギ食うのも養殖するのも完全に人間の都合なのだが、お願いされたから養ってるというシチュエーションが免罪符みたいでかなり悪質。
寂れたプールというシチュエーションも、いまいち湧き水の清らかさは感じられないというか、むしろ逆だし。
そして、気になったので少しググってみたら、養殖もののウナギは飼育環境の影響からほとんどが「オス」だとか。
ますます少女化させた意味がわからないのだけれど、一体なんだこりゃ。
スク水少女への監禁と性的欲求を露骨に想起させて、カニバリズムというアングラ系グロテスクなオチでウナギへの食欲を喪失させ、ウナギの乱獲を阻止したいのかな???
以前はブレンディが乳牛を女子生徒に擬人化させたひどいCMを作っていたけれど、行政がこういうの作っちゃうのか…って呆れる。
pokonan.hatenablog.com
しかも、「あえてこういうことやっちゃうよww」みたいなこと言いつつ、ただ既存の差別的ジェンダーに乗っかっただけのアホな悪ノリではなく、真面目に作りました感あるのが、余計に怖い。
鹿児島は女子の大学進学率が全国でも著しく低くて(2015年は女子の進学率が全国の中で唯一3割を切っている)、県知事が「女に数学教えてなんになる、花や草の名前覚えてろ」みたいな発言して問題になりましたよね(この知事は任期がきて今年の夏に退任したみたいですが)。
そういうジェンダー格差は積極的に解消していかなきゃいけないだろうに、こんな未成年の女子を囲うようなCMつくっちゃって、誰もヤバイとか思わなかったんだろうか。
こういうのって本当地続きなんだな、と思いました。
とにかく、全然ウナギ食べたいと思わなくなったし、この自治体への高感度も下がって、ふるさと納税の印象も残らない。
ウナギも日本もこうして滅ぶのか、って感じのホラー動画です。
ヒトはなぜヒトを食べたか―生態人類学から見た文化の起源 (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マーヴィンハリス,Marvin Harris,鈴木洋一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1997/05
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
- 作者: ジェイムズプロセック,James Prosek,小林正佳
- 出版社/メーカー: 築地書館
- 発売日: 2016/05/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る