田舎で底辺暮らし

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ペルーの女優さんの痴漢被害の告白に思う

とてもいい記事だったので紹介したい。
ペルー:有名女優がバスで痴漢に。その波紋とは? · Global Voices 日本語

ペルーの女優さんがバス内で痴漢にあったことをメディアで告白し、芸能人はもちろん一般人からも痴漢への激しい非難の声が相次ぎキャンペーン展開が行われ、防犯カメラに映っていた犯人が逮捕されたのだ。

こういう記事を見ると、日本国内だったらどうかね…といつも思う。
テレビで痴漢被害を告白する女性タレントは結構いたと思うんだけど、話のネタの一つとして誰も大して反応を示さないよね。

性犯罪関連のニュースは、2chなどのミソジニーなコミュニティだと、言葉にするのも憚られるくらい被害者への酷いコメントが並ぶ。
2chという空間だけが特殊だからとは、とてもじゃないが言えないだろう。
日本社会の人権意識が、如実に反映されているのだと思う。

それくらい、日本では痴漢は犯罪として非常に軽く扱われている。
なんで軽く扱われているのか、っていうその原因を思うと、ちょっと暗澹たる気持ちになるよね。


記事内ではこの事件に関して色んな意見を取り上げているが、特に、この部分は非常に的確で痛快である。

通りでからだを触られたことは、もう数え切れないほどよ。バスに乗っていると男性がからだをすり寄せてきたりするし、いやらしいことを言われたり、口笛を吹かれたりしたこともあるの。意味ありげな感じで「おはよう、お嬢さん」って言う男もいるし、距離感なんて存在しないとでもいうように、顔に触れんばかりに近づいてくるやつもいるわ。


もちろん、私はもう黙ったままではいないわ。むかつくもの。めちゃくちゃ怒ってやるわよ。男たちに向かって、大声で「強姦魔」って叫んでやる。「おばさんだけど『おいしそうな性器』を持ってるあんたのママにも、同じことを言ってやりなさいよ」そう言ってやる。あいつらはキレて、私のことをクレイジーだと言うわ。クレイジー、クレイジーなの? クレイジーですって! つまりね、あなたが私を猛烈に批判したとして、私がその仕返しをしたら、クレイジーな人間だってことになるのよね。誰も何もしようとはしない。みんな、ただ見てるだけ。ときどき思うの。ちょっかいかけてくる男をこんな風に攻撃しなくてすむんなら、不細工に生まれてもよかったのにって。

日本では、性犯罪の被害にあった場合、被害者がきちんと被害者らしい態度をとったかどうかで、強姦かどうかを裁量される傾向があって、本当に信じられないのだが、日本の性犯罪被害者へのバッシングというのは、本当なんなんだろうなぁ、といつも不思議に思う。

被害に合った場合、きちんと弱々しく被害も訴え出れないような態度をとっていないと、正しい被害者として認めないみたいな風潮は加害者に都合よく働くだけで、物凄く歪んだ社会だと思う。

肝心なことは、男女間で公共空間での感じ方に違いがあるということです。 私たち女性は、ある不安や懸念を抱えて生活しています。これでは、平等な生活とは言えません。女性が危険を回避し、安心を感じられる方法を考えようと言っているのではありません。人権重視の文化を植え付け、あらゆる個人が暴力を受けずに生活する権利があるとの認識を持とうと言っているのです。

はてなブログでも、女性のそばだと痴漢冤罪をふっかけられるかもしれないから、女のそばには近寄れないなんて冗談半分のように言ってるブログがあって非常にがっくりきてしまい、それ以来もうその人のブログはチェックしなくなった。
あなたが怖いように、女性も痴漢されるのではないかという恐怖を抱いているんだけどね…。

私は痴漢冤罪怖いと言ってる男性が、冤罪を減らすためにも卑劣な痴漢そのものを撲滅させようと言ってるのをネットで見たことがないんだけど、なんでだろう…。

女こわーい、みたいなのの代名詞的に使ってんのかな…。

あと、痴漢って電車という空間だけでおこると思ってる男性は多いかもしれないが、本屋とかもめちゃめちゃ多い。
友人はブックオフで痴漢にあった。
図書館で、スカート姿で座って本を読んでいると、巡回している警備員に盗撮に気をつけて下さいと言われた経験がある。

パーソナルスペースがおかしいのかわざとなのか分からないが、妙なおっさんが他に空いてる席があるのにべったり隣にくっついて座ってきて、キモくてこっちが席を移動しなければならなかったり、そういう経験がある人は多いんではないかな。

人が密着していない空間でも、性犯罪の危険は潜んでいて、そういうものに気を張っていなければいけない社会を改善していこうっていう声をあげにくい国っていうのは、とても嫌な国だなぁ、と思う。

そして、このツイートを今日見かけた。

もうね、脚本が糞なドラマって誰が出てようと本当見る価値ないよね!
そもそも冤罪は取り調べる警察の落ち度だっつーの。
痴漢と冤罪を対比させて、痴漢被害の声をあげにくくするのってマジでやめてほしい。

私の大好きな作家、津村記久子の「アレグリアとは仕事はできない」に収録されている「地下鉄の叙事詩」は痴漢の被害について、とても丁寧に書かれていると思う。
どれだけおぞましい行為か、そして被害者はどれだけ傷付けられるか。
それでも、ラストは加害者に随分配慮はされてると思うし、その配慮とやらがないといけないのがなんともイライラとするんだけどさ。

アレグリアとは仕事はできない (ちくま文庫)

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