田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

明日は我が身の「多重介護」

昨晩のクローズアップ現代は、「多重介護」の深刻な現実に迫っていた。

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「実の親と義理の親」、「親と配偶者」など、1人で複数の家族を介護する“多重介護”
要介護者の増加と介護期間の長期化、そして少子化による介護者の減少を背景に急速に広がっている。
しかし、要介護度が「2」以下だと施設への入所は難しい。
また、「3」以上でも、特養ホームの費用が払えず、在宅で介護せざるをえない人も多い。
医療や福祉も“多重介護”の負担を考慮して支える仕組みは少なく、事態は深刻化している。
「日本ケアラー連盟」が4年前、全国2千人のケアラーを対象に初めて行った調査によると、実に25%が複数のケアを担っていた。
「医療・介護は在宅で」という流れが進む中、どうすれば介護者の負担を減らすことができるのか。
最新の調査から実態を浮き彫りにし、課題を検証する。

寝たきりの父親と足腰の弱った母親の面倒を付きっきりで見ている独身の息子や、脳梗塞で倒れて麻痺のある夫と認知症の義母を一人で仕事をしながら面倒みている女性など、一人で「多重介護」の負担を強いられるケースを紹介。

印象としては、とにかく経済的な問題が深刻で、介護をするために仕事を続けるのが困難な状況なのだが、現状の介護保障の範囲内ではとてもじゃないが生活を維持できるだけのサービスは受けられないので、月に自己負担で何万円も支払わなくてはならない。

仕事を続けるためにお金を支払わなくてはならないような、矛盾したような状況になっている。

認知症の義母をかかえる女性の場合、義母が水を無駄遣いして普段の倍以上の請求がきたりして、夜も目が離せないのだという。

私も今年まで認知症の祖母を介護していたので、この目が離せない状況というのはよくわかる。
凄まじいストレスだった。

介護って死ぬまで終わらないし先が見えないし、ずっとお金がかかるし、逃げ場のない息がつまるような重い現実に心身ともに物凄く疲弊してしまう。

一人を介護するだけでも非常に重い負担を強いられるのに、二人を一人で介護するというのは完全にキャパオーバーで、結局一人で負担を背負っている介護者が過労で倒れて一家共倒れというケースも少なくないだろうなぁ、と思った。

しかも、今は30代40代の現役世代が、介護をするケースが増えているのだとか。

どんどん老人が増える社会で、家族で介護しましょうってやりかたは限界にあるとしか思えないし、不景気で雇用も不安定で、切り詰めて生活する人が多い現代の日本で、夫が生活費をしっかり稼いできて嫁が家族を介護するみたいなモデルケースでつくられたような制度が全然現状に追い付いていないとも感じた。

番組後半では、両親の多重介護のために嫁ぎ先からこまめに行き来しながらフルタイムで働いてる娘の厳しい現状を打破するために、担当のケアマネージャーの模索する様子が紹介されていたが、それだって他にいる姉弟(離れた場所で自立しているのでもう連絡がないような状況)で介護を分担して解決しましょう、病院通いはせずに在宅医療に切り替えましょうって流れだったし、根本的な解決とは程遠い感じだった。

現役で仕事やってる人が介護で仕事を続けるのが困難になるって、社会にとっても大きな損失だろうし、どんどん老人が増える日本で、これからもずっと家で全部面倒みましょうみたいな小手先の方法で乗りきれるとも思えないんだけど、ぎりぎりのとこで介護生活をしている人たちにきちんと福祉の手は差し伸べられているのだろうか、となんだか暗い気持ちになってしまった。

これならわかる<スッキリ図解>介護保険 2015年速報版

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