田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

弱者排除が加速する年末年始に憂鬱になる

クリスマスが終わってしまえば、私の大嫌いな正月がやってくる。
大掃除で普段はなにもしない父親が我が物顔で喚き散らし、ヒステリーでうるさくて仕方ない。
そして、どうでもいい親戚が飲み食いしにやってきて、そんな輪に入る気もしないので大体外出するのだが、寒いので気が滅入る。

私のちっぽけな私生活だけでなく、行政の態度にも憂鬱にさせられる。

渋谷区の公園では露骨なホームレス排除の動き。

年末年始は生活保護の窓口も閉められるわけだが、公園で炊き出しして食いつなぐこともできないわけだ。

そういえば、昨今は公園のベンチなどに妙な仕切りや突起がつけられていて、なんだこりゃ邪魔だなぁ…なんて思っていたが、あれもホームレス排除の動きの一つと知って、お金かけるとこ間違ってるだろ、と暗澹とした。

ていうか、こういうのは本来ボランティアじゃなく行政がやるべきことなんじゃないのか。

野宿者を自分たちの目の見えぬ場所へ追いやれば問題解決という姿勢は、東京オリンピックの開催で加速するだろうなぁ…。


そして、こんなニュースも。

三井住友カード、富士通総研、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、NTTデータの4社は2014年12月26日、生活扶助費などの公的給付にVisaプリペイドカードを活用するモデル事業を開始すると発表した(図)。
第一弾として、2015年春から、大阪市の生活保護費の一部をVisaプリペイドカードで支給する。

支給の対象は飲食や日用品の購入などを目的とする生活扶助費のうち3万円で、2000人程度を想定。
カードは三井住友カードが発行し、国内450万店以上で使用可能。
市が毎月、現金を入金して貸与する。

 13年12月成立の改正生活保護法では生計状況の適切な把握が受給者の責務とされ、市がカードの使用日時や店舗名など利用明細を確認し、金銭管理を支援できる。
将来的には1日ごとの利用限度額や、特定業種への利用制限を設け、過度な飲酒やギャンブルでの使用を防ぐことも検討する。




なんだこの企業とべったり癒着した制度は、ってびっくりしたけど、本来生活保護をもらうべき貧困層の人たちにちゃんと手を差し伸べることは怠けているくせに、こういう妙なことばっかりやる金はあるわけだ。
これだけの金が動くなら、この4社は儲けるだろうね…。


しかも、生活保護費そのものが下げられるらしい。

政府は26日、生活保護費のうち家賃に当たる「住宅扶助」と、冬の暖房費などに充てる「冬季加算」を2015年度から引き下げる方針を固めた。
具体的な減額幅については、財務省と厚生労働省で調整し、年明けの予算編成で決める。

この不況の世の中で、いつ生活保護の世話になるのか分からない明日は我が身な人って少なくないと思うわけだが、社会保障制度は寧ろ拡充して、安心して暮らせる社会を目指すのが本来、国が目指すとこなんじゃないのかなぁ。
こういうことやって弱者の生活を切り詰めて、そして浮いた金っていうのは一体どこに消えてしまうんだろう。

弱者を叩いて排除したって、だるま落としみたいにそのうち自分にお鉢が回ってくるだけだろうに、なんでみんなが安心してくらせる保障制度をこんなめちゃくちゃにしちゃうのかな…。

そして、NHKでは選挙が終わった途端に原発関連の番組をわらわらとやっていたりして、なんだこの報道姿勢は、自民の飼い犬かよ…と呆れてしまう。

なんというか、弱者排除の嫌なニュースが怒涛のように溢れていて、年末年始で浮かれてられる「庶民」ってこの国じゃそもそもかなり恵まれた環境なんだよなぁ、となんだか改めて思った。

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