田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

「全力離婚相談」のモラハラ離婚ネタが酷かった

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NHKのドラマ10、今回は真矢みきが主演なので始まる前はちょっと楽しみにしていたのだが、はっきり言ってガッカリクオリティである…。

初回の冒頭、重役会議はおっさんしかおらず、そこに真矢みきが部下として登場するという、なんだか古臭い演出に、せっかく真矢みき起用するのに勿体ないなぁ、という感想を抱いた。
真矢みきが上司で、舘ひろしが部下ぐらいの面白いことしてくれればいいのに。

前回は夫の浮気疑惑をうけて調査してみたら、実は女装癖があって、一緒にいたのは女装仲間だったという展開。
潜入のために上地雄輔を女装させたり、女装クラブでの下手なカラオケシーンがだらだらと流されたりして、最終的に妻は夫の趣味を受け入れた形ではあったが、なんか結局イロモノネタな側面が強かった。
(職場結婚だったみたいで、さえない風貌の妻の悪口を言うのが若い女性社員二人という、こてこてのシーンまであった)

もうちょっと、いい脚本用意してあげればいいのになぁ、と真矢みきに同情してしまった。


そして今回はモラハラ離婚がテーマだった。

和菓子屋の熟年夫婦で、妻が夫からのモラハラに耐えられず家出。
夫は加害の自覚もなく、彼を真矢みきが弁護していた。

終盤では、夫婦それぞれに弁護士が付き添った状態で協議の場を設け(モラハラの被害者と加害者をこんな真正面に対面させたりするんだろうか…?)、妻側は離婚裁判も辞さない構えで財産分与と慰謝料の請求を求めて協議書を提出。
夫は当然激怒し、それを宥める形で、真矢みきが勝手に作成していた協議書をこちらも提出。
それは、妻を和菓子屋の共同経営者として迎え、婚姻関係は続けるが、完全別居で生活には干渉しないというもの。
妻が大事に思っていた和菓子店を守るためとか、そんな感じだった。
経営が傾いてるから夫が勝手に閉店しようとしていたけど、陰でお店を支えていた妻はそういう自分勝手なところにも我慢できずにいたわけだ。
(人前では、夫は妻に楽させてやりたいから店を畳むと外面を整える)
途中で、和菓子店の弟子がいきなり部屋に突入してきて、「奥さんは旦那さんのモラハラに耐えながら、それでも旦那さんの作った和菓子を大事に思ってたんですよ!」なんてことを夫に訴えてた。

そんで、真矢みきが必死に「このままじゃ、一番大切なもの(大事にしてきたお店)を失いますよ」と、聞き分けのない夫に言い聞かせて、妻は夫側の協議書を受け入れて終わった。

唖然とするというか、人情クソ食らえ!って感じの展開だった
もうそれ、一番やっちゃいけないやつやん、って感じでびっくり。

だって、この夫なんも失ってないわけで、別居ではあるけど、散々いままで暴言吐いて当たり散らしてきた妻との婚姻関係は今後も継続してて、経営傾いたお店も好青年の弟子が引き継いで、慰謝料も払わずにすんで、なんなのこれ?

協議の場にいたのも夫以外は全員女性だし、飛び込んできた弟子も夫にはへこへこしているし、その場にいるみんなが夫をなだめて言い聞かせるような対応で、そこまで加害者に優しい話にしなきゃダメなわけ?って、ドン引きしてしまった。

70の爺さんの妻への暴言がいまさらどうにかなるなんて夢物語すぎだし、あんな夫が妻を共同経営者として対等に扱うわけないし、あれだけ苦痛を味わった奥さんが和菓子大事つったって、裁判も覚悟してたのにお店のためにあっさり婚姻関係続けるなんてありえんだろう、って話で、結局、モラハラをネタに和菓子店をめぐる人情劇やりたかっただけっていうか、被害者を軽く扱いすぎだし、加害者にあまりに優しすぎるよ…。

こういうテーマでやるなら、こんなふわ~っと人情オチにせずに、もうちょっときっちり被害者側に救いがあって、すっきりする話にしてくれないと…。

ていうか、これじゃ場合によっては加害者が心を入れ替えることもある、とかそういう危険なメッセージにもなるわけで、本当ひどすぎる回だった。

「モラル・ハラスメント」のすべて  夫の支配から逃れるための実践ガイド (こころライブラリー)

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