田舎で底辺暮らし

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雁須磨子「私の嫌いなおともだち」が秀逸な百合漫画だった

百合漫画雑誌「ひらり、」で連載されていた雁須磨子の作品をまとめた「私の嫌いなおともだち」がついこの間発売されたので、直ぐに注文して、さきほど読み終わりました。

私の嫌いなおともだち (ひらり、コミックス)

めっちゃ面白かった!!

短編7作と描き下ろしが収録されています。
大人百合と女子高生百合が半々くらいで、バランスもよかったです。

表紙にもなってる表題作は、女子高生のちょっとどろっとした関係で、個人的には物足りなかったのですが(おまけの4コマ漫画で百合度が一気に高まったけれど)、それ以外の作品はかなり満足でした。

特に「私の嫌いなおともだち2」と、「誘われ温泉」が好きです。

私の嫌いなおともだち2は、女子高生の三角関係というか、ちょっとチャラいスズと、人見知りなタマの付かず離れずな関係を描いていています。

右の子はレズビアンのスズ。
このハミちゃんが雰囲気がスズに似ているというタマを紹介して、二人は出会います。
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人見知りのタマとはあまり親しくなることもなく、ハミちゃんはあっさり彼氏を作り、スズは傷心しますw
(ちなみに、タマちゃんもハミちゃんが好きだった)

そんなスズですが、ほんの少し下心有りきで、大人な女性がよくやってくるレトロな喫茶店でバイトをはじめ、そこにタマが部活の先輩とやってきて、ばったり再会。
下の目付きの悪い女の子がタマちゃん。
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バトミントン部の優しい先輩。
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タマちゃんはこの先輩が好きなのですが、なんとなくもどかしい二人の関係にスズがちょっかいを出します。

今までの百合漫画なら、三角関係といっても間に男が入ってきたりするんですけど、三人全員が女性で、それぞれにいいキャラクターで、ちゃんと恋愛してるのが嬉しかった。
スズはチャラいけど良い奴ですw

しかも、描き下ろし漫画で24歳になった二人のその後が描かれていて、余計に楽しめました。
これ、短編が勿体ないというか、長編で読みたい…!


誘われ温泉は、会社の派遣さんに誘われ二人で箱根に一泊旅行するお話。
旅行話なのですが視点が独特で 読んでてどきどきしました。

用意周到でなんでも持ってて、この旅行の日程も自分で決めたのに、生理だからと温泉を断る派遣さん。
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なんだか、その気持ちすごくわかるぞ…w
そこから主人公は疑念を抱いて、もしかして、もしかして…ってなるのです。

他も女の子に迫られたはいいが、実はこっちがネコなんだよ…お誘いに乗れないよ、みたいな大人百合があったりで、どれも面白かったです。

あと、なにがいいって、絵柄がいいですよね。
わかりやすい美人とかではないけど、ちゃんとキャラクターとして魅力的に見える。

百合漫画をこのクオリティで楽しめるのって、本当珍しいと思うので、雁須磨子さんにはこれからも百合漫画を是非描いて欲しい!
本にも、もうちょっと大人な百合・エロい百合が描きたいと綴られていたので、期待したいところです。

ただ、掲載されていた「ひらり、」はもう休刊になっちゃったし、作風的に百合姫でもないだろうし、またどっかの雑誌で百合漫画が連載されることを祈ります。

私の嫌いなおともだち (ひらり、コミックス)

私の嫌いなおともだち (ひらり、コミックス)