人間がセクハラとして胸を触ると「けなげな」反応をしめすロボット紹介のこの記事の内容について色々とTwitterで意見を見かけるんだけど、これ最初に書かれた記事内容に批判が多かったからなのか、今日読み返してみたら書き換えられている部分があった。
以前の記事では
「自分が女性だから許される部分もあると思います。笑いにできちゃいますからね」と市原さん。
とあって、私はこれが個人的に一番嫌だと思った部分だったのでたまたま引用していた。
こういう感覚のままセクハラに一石を投じるみたいなことやった結果が、人間側のセクハラ行為に被害者として「けなげな」反応を見せるという現状をなぞっただけという批判性もなにもないロボットというのは、なんとうか、さもありなんだと思ったりしたのだが(製作者さんのツイートが結構な地雷だった)、ここが削除されて、
しかし、今の日本社会では、男性が公的にエロを発信することはご法度になっています。女性だと、ある意味中立な立場でエロを取り扱うことができると思いました」
になっている。
全然内容が違うけれど、どういうことなのだろう。
痴漢やセクハラみたいなものはもう笑えるネタじゃないし、その被害で多くの人が泣き寝入りしてきたこれまでの時代があるわけで、限られたアングラ的ブラックユーモアな場ならまだしも、こういう公のガジェット披露の場でやることじゃないだろうって製作過程で誰も指摘しなかったのかな。
アンタッチャブルなネタだけど女性の立場だからOKとかそういうのはないでしょ、やってることは物凄い暴力的でしょ、って色々ともやもやした。
記事には他にも
元々、日本は性的なものに対する豊かさがあった。それを最新のテクノロジーの塊であるペッパーでも形にしたかった」
とあるが、それは性犯罪被害者が告発もできずに泣き寝入りして、加害者側に都合のいい時代をさして性に大らかだというのなら、まぁ確かにこのロボは強者に都合のいいそれを表現してはいる。
個人的には、ちゃんと被害が被害として認められる、性犯罪被害で誰も泣き寝入りせずにすむという「性に大らか」だった時代と対局にあるものが、真実性に大らかなものなのでは、と考えているから、このロボからセクハラへの批判的アプローチは、何も感じられなかった。
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