田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

将来の子供に影響が~って説教されても、女性が使える時間は増えないんですけど。

今の日本女性は、終戦直後より栄養状態が悪く飢餓状態にあるとか。
そりゃそうだろうな、って思います。
どこみても痩せ賛美な社会だし、女性へのルッキズムは凄まじいですから。
で、痩せすぎはいけない、なぜなら将来の子供に悪い影響が~っていう、超ありがちなもう女なら耳にタコ出来ましたって感じの記事がツイッターで流れてきました。
www3.nhk.or.jp

「仕事で忙しい時は昼食を食べられないこともよくある」「お昼を食べられない時はそのあとおやつを食べる」「朝の時間は支度を優先しているので時間がなくて朝食を食べない」「外食も多いので、なるべくヘルシーな食事を心がけている」

インタビューの声からも、カツカツで働いて忙しくて食べる時間もないってはっきりわかりますよね。
さらに、

民間企業が女性管理職に、「管理職になって犠牲にしたもの」を聞いた調査では、1位「趣味の時間」、2位「健康」、3位が「食生活」でした。

この調査、同じ質問を男性に聞くと、1位「配偶者との時間」、2位「趣味の時間」、3位「子どもとの時間」で、男女で大きく差が出る結果でした

この結果を見ても分かるように働くことの前提が、サポートしてくれる妻がいる既婚男性ってのがすっごい見えてくるし、日本女性の家事育児の負担率とか考えたら、もう女性は自分自身の健康や食事の時間を削るしか時間を捻出する方法がないわけですよね。
要するに日本社会の柔軟性のない超男性主義的な労働環境が女性の生活や健康に大きく影響して蝕んでいるわけで、ここまではっきりと当事者の声やアンケート結果を出しているんだからそこを厳しく指摘するかと思いきや、全然そんな指摘がないんですよ。
こういう働かせ方をする企業や日本社会への批判が全く無くて、これにはびっくり。
わざとなのかっていくらいそこを避けていて、何の問題提起もない、よくわからない記事。

今は女性が定年まで勤めあげる時代で、男性並みにばりばり働いて結果を残そうと健康を犠牲にしてしまう。

だーかーらー、その男性基準な労働環境が問題って話じゃん。
どんどんジェンダーギャップ指数が酷くなる社会で、女が働くことや結果出すことを否定されても、じゃあどうやって食っていけばいいんですか?
食べろ食べろというけど、その金をどうやって稼ぐんですか。
女性の貧困率の高さだって話題になってるんだから、分かってますよね?

しかも、今現在食べる時間さえないって話なのに、存在してない将来の子供の健康のためにとか言われても、いや当事者の女性たちの今の健康が問題なわけで、なんでいつもいつも女の健康を常に妊娠・出産・子供に結びつけるのか。
産んでもいない子供を脅しにつかわれても、女性の負担が減るわけでもないのに。
(そんなに言うくせに妊婦が大事にされるわけでもなく、妊娠・出産すればまたそれも負担は女にばかり掛かって自己責任とされるし)
また、痩せすぎはダメと言いながら、痩せ信仰を賛美して儲ける企業批判とかもない。
そもそも日本の服、痩せてないとその辺の既製品とか着れないやん…。

NHKはついこの前、女性記者の過労死で問題になってたのに、こんな社会問題を女の自己責任とか意識の問題で片付けるようじゃダメじゃん。
NHKの31歳女性記者が過労死 残業、月159時間:朝日新聞デジタル
【全文】「娘の勤務状況は異常だった」 NHK記者過労死、母親が初めて語った思い
まぁ、だからこそ自社批判なんか出来ずにこういう毒にも薬にもならない内容しか書けないのかもしれないけど…。

しかもこれ、書いてる人が子持ちの女性記者。

健康や自分自身を犠牲にしながら女性の社会進出が進んでいくことがないよう、せつに願っています。

それなのに女性たちに多大な負担を強いる労働環境や社会への何の批判性もない、終始ふわ~っとした自己責任論的な内容というのが、女性自身さえもが内面化してしまっている呪いなのかな、って感じがしました。

貧困の現場から社会を変える (POSSE叢書)

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