田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

「子供の貧困」特集番組をみて思う

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先日、NHKのクローズアップ現代を見た。
子供の貧困をテーマに、食事を満足に食べられない子供たちを特集していた。

「夏休みが終わる頃、体重が減る子どもがいる」学校教育の現場では、給食がない夏休みに食事を十分取れず、体調を崩す子どもの存在が危惧されている。
背景にあるのは、貧困世帯における「食の貧困」だ。
7月の厚労省の調査では、「相対的貧困」状態にある子どもの割合は6人に一人と、過去最悪の値
今回、貧困問題に取り組むNPO、新潟県立大学と共同で調査を実施したところ、「子ども一人当たりの食費が一日329円」と、子どもの成長に必要な栄養が取れないほどにまで食費が圧迫されている実態が見えてきた。
食の貧困はなぜ起こり、どのように子どもに成長を脅かすのか。
調査で明らかになってきた実態を分析するとともに、どうすれば貧困の連鎖を断てるのか、学校や地域で始まった先進的な取り組みを合わせて紹介する。

学校の給食が唯一まともに食べられる食事というケースもあったり、子供たちの貧困は深刻。

そもそも日本の母子家庭は約6割が貧困層らしいので、当然、子供も貧しい。
しかも、日本は所得が低いほど税率の負担が大きいので、かなり過酷だ。

番組では、パート労働の母子家庭で生活保護基準にあるのに、生活保護を受給していない家庭がでてきた。
生活保護を受けないのは、通勤に欠かせない車を手放さなければならないからだ。

都会であれば、交通網が発達して、バスや電車を利用できるが、地方ではかなり厳しい。
車が使えないとなると、仕事もかなり限られてくるだろう。

ほんの一握りの不正受給であれだけ大騒ぎしたのに、こういう受け取るべき人たちが受け取れない現状は見て見ぬふりされていることに、なんだか暗澹たる気持ちになった。

紹介されたケースでは、NPO法人などの支援で、なんとかお腹を満たしているという状況だった。


そして、昨晩もNHKでたまたま流れていた「本当は学びたい~貧困と向き合う学習支援の現場から~」という番組をながら見。
(部屋で作業中はうるさくないNHKばかり流している)

いま、子どもや若者の「貧困」が、学力格差や不登校、高校中退などを引き起こし、 「学び」に深刻な影響を及ぼしていることが分かってきています。
塾、携帯電話、インターネット・・・。現代では、「平均的な家庭」が、いろいろな物を手に入れられるようになりました。
しかし、経済的に苦しい家庭の子どもはどんどん取り残され、やがて挽回できないほどに、差が開いていきます
この「差」に苦しめられる、いわゆる「相対的貧困」の子どもが今、増え続けています
そんな中、元高校教師の青砥恭さん(65歳)は3年前、子どもや若者たちに、無料で「学び直しの場」を提供するため、NPO「さいたまユースサポートネット」を設立しました。
不登校、高校中退などのさまざまな理由で学校から去った子どもや若者に、ボランティアたちが勉強を教えます。
ここに集まる若者の半数以上が、貧困の家庭に育っています。勉強できる十分な環境が無く、学びの場からこぼれ落ちた子どもたち。生活のために日雇いの現場で働く学生、夜の仕事をする高校生・・・。
ここには、貧困の中、ますます学びの場から遠ざかっていく若者たちの姿がありました。
学ぶことを通して、「居場所」や人とのつながり、そして自信を取り戻してもらいたいと願う青砥さんの取り組みと、そこに集まる若者たちの思いを見つめました。

暴力をふるわれるような日雇い労働現場で働く中卒の若者や、母子家庭をからかわれ不登校になった女子中学生、酒乱な祖父のDVに悩む水商売で働く少女など、色んなケースがあった。

貧困はただお金がないというだけでなく、様々な要因が絡み合っていて、雁字搦めになってしまい、抜け出すのが非常に難しい問題で、これを個人の力だけでどうにかするというのはかなり厳しいだろうなぁ、と思う…。

あとやっぱり母子家庭というのがかなり目立つ。
日本は女性の所得が低く雇用も不安定、しかも離婚した父親側からの養育費がまともに支払われるケースが非常に少ない(確か全体の2割くらいじゃなかったかな)ので、余計に母子家庭は貧困に陥りやすいという地続きになっている。

不登校の女の子は高校受験を控え、面接の練習をやっていたけれど、学校に殆ど通っていないので中学時代に頑張ったことを尋ねられても、言葉がでなくなっていた。
貧困の中で育つと、自己肯定感や自尊心を育むのが難しく、積極的に自己をアピールするということさえ家庭の経済環境で差が出てくる。

その不登校だった子の母親は体調を崩し、それまでの仕事を辞めて非正規雇用で貯金を切り崩しながらの生活。
今は公立中学生の7割が塾に通っているというが(私は塾というか習い事をしたことがないのでびっくりした)、その前提で授業をされると当然勉強についてけなくなり、そのことがなんだか恥ずかしくなると女の子は語っていた。
母親は切り詰めた生活の中で、さらに貯金をすっからかんにしてでも娘を塾に通わせるべきだったのか分からない、と言って涙していた。

学歴って本当に家庭の経済環境と比例してるというか、今の教育システムがそうなっちゃってんだなぁ…。


安倍ちゃんは「女性が輝く社会」とか言ってるが、それはほんの一握りの特権的女性たちをモデルケースにしているとしか思えなくて、女性が輝くとかではなく、普通に女性を差別しない、シングルマザーでも安定して生活できる社会にしてほしいと思う。

消費税が10%に引きあげられるが、本当どうなっちゃうのか…。
他の先進国では、食料などの命に関わるようなものは非課税になっていたりするが、日本はそういう配慮もなく、どんどん生活は厳しくなる。

こういう貧困層の子供たちが苦しむ一方で、政治家のおっさんたちが婚活・街コンすれば少子化解決☆って言ってる現状って、物凄い不安しかないのだが…。

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