田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

カオナシと千尋の関係がグロテスクすぎた

NHKをいつもは流しっぱなしにしてるんだけど、武田鉄矢の特集で別に興味もないので、「千と千尋の神かくし」を視聴。

千と千尋の神隠し [Blu-ray]

千と千尋の神隠し [Blu-ray]


Twitterではハクやカオナシのネタであれこれ賑わっていた。
ジブリ作品っつーのは、なんだかんだ盛り上がりますな。

途中から見たのだけど、ちょうどカオナシが蛙その他を飲み込んでぶくぶくに肥大化し、宴会場で食い散らかしてるとこに千が放り込まれるシーンだった。

もう何度か見てるはずなんだけど、こんなに露骨なシーンだったっけ?って、ちょっとびっくりした。

というのも、猫なで声で千尋に「千にしか金はあげないことにしたんだ」と言って、手のひらに山盛りの金を持って「こっちにおいで」と呼び寄せるこのグロテスクさだ。

千尋は気を失っているハクのために、一刻も早く銭婆の元へ行かなければならないから、達観したような静かな表情で欲望のままにふるまうカオナシを見つめている。

それに気づきもせず、醜く飲み食いして金をばら撒き好き勝手に振る舞うカオナシ。

カオナシに早くお家に帰ったほうがいいよ、などと諭して千尋がその場を去ろうとすると、逆上し「金を欲しがれ!!」と迫る。

逃げると、暴力的になり執拗に追いかけてくるこのカオナシの存在って、既視感あるあるで、怖かった。

これ完全に、女を金で買うことで承認欲求を満たしているおっさんやないか

そんな自分を否定され、女が思い通りにならないと逆上する欲望の塊。

この作品が性風俗店をモチーフにしているっていうのは、ネットでよく見かけたけれど、こんなにはっきりと露骨な内容だったことに今日、なんだか改めて気づいて、ちょっと気持ち悪くなった。


結局、飲み込んだ欲望たちを吐き戻して、金も出せなくなったカオナシは千尋が優しく手を引いてやらなければ「ア、ア…」と言ってるだけで自分では何一つできない存在になるのも、好き勝手振る舞った老人が介護を必要とする末路とかぶりまくりだ。

千尋を通して世間の女性たちに求められているものが見えて、なんだかうんざりしてしまった。

こういう、少女に性と母性を押しつける話って本当しんどいね…。

あと、どうでもいいんだけど、なんで千尋の母親はあんなに千尋に冷たいのか未だに謎だ。