田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

NHK「見えず 聞こえずとも ~夫婦ふたりの里山暮らし~」を見た

NHKスペシャルでやっていた、盲ろう者の女性とその夫の生活を追ったドキュメント番組を見た。

www.nhk.or.jp

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2015/0503/img/thum_01.jpg
京都駅から電車を乗り継ぎ4時間。日本海にほど近い丹後半島の山あいにある小さな集落にその夫婦は暮らしている。梅木好彦さん(68)と妻の久代さん(65)。
天真爛漫という言葉がぴったりの久代さんと、いつも微笑みを絶やさない好彦さん。
実は久代さん、目が見えず、耳は聞こえず、言葉を発することもできない。
ふたりは互いの手を握り、その動きから手話を読み取る“触手話”によって心を通わせ合っている。
そして、美しい自然が残る里山で、田畑を耕し、自給自足に近い生活を営んでいる。
久代さんが視力と聴力を完全に失ったのは51歳の時。以来、深い海の底にいるような音も光もない世界で生きてきた。
その後、結ばれたふたり。厳しくも豊かな自然に抱かれた暮らしの中には、“小さな幸せ”が満ちあふれている。
番組では、去年の夏から冬を経て、春を迎えるまでのふたりの暮らしを取材。
人にとって“幸せとは何か”を見つめていく。

ちょいちょい番宣があったので気になっていたけど、盲ろうの障がいがあるのは妻の女性だけで、夫は健常者だった。
番宣で二人ともなのか、となんとなく思い込んでいた。

久代さんは二歳のころ高熱で聴力を失い、一度結婚したけれど、離婚。
しかも、30代頃から徐々に視力も弱くなっていったという。

好彦さんは子供の頃から愛読していた宮沢賢治の影響なのか、農耕生活を目指し、放浪しながら自給自足の山ごもり。
しかし、40歳ごろ農業だけではなく、人と支えあうような博愛精神が芽生えたとかで、目の不自由な人たちの支援活動に参加。

そこで二人は出会って、交際に至り、高齢で結婚(結婚して今は15年目)。
好彦さんはそれまで交際経験はなかったようで、久代さんが初デートの相手だったらしい。

久代さんは見えない聞こえない状態で、料理をつくり、好彦さんは車で山奥へ農作業に出かける。
以前暮らしていた家(久代さんにとって色々と不自由が多いので、里山の集落に移り住んだとか)を休憩所のようにして使っていて、なぜか二軒も家を持っている状態だった。

自宅とその古い方の家とでパソコンからメールを送りあったり、朝ドラを夫の触手話で楽しんだり、近所を散歩したり、ドキュメントによくある暗い側面よりも、日々を淡々と追った、老夫婦のロハスなリア充生活って感じだった。

うちは母親が聾者なのだが、出来婚みたいな感じで結婚したらしく、父は暴力的で、私が幼いころに不倫していて物凄くモメて家の中がめちゃくちゃになったりして、それをずっと見てきた私は結婚や男女関係に対する理想など微塵もないのだけれど、まぁこういう風に障がいがありながらも楽しく過ごしている夫婦もいたりするんだよなぁ…と、なんだかフィクションを見ているような感覚になってしまった。

見えなくても、きこえなくても。

見えなくても、きこえなくても。

ゆびさきの宇宙―福島智・盲ろうを生きて

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