ヴィレッジヴァンガードで「百合展」なるものが全国規模で開催されます。
百合展2016
参加作家は、
雨隠ギド、伊藤ハチ、缶乃、岸虎次郎、高嶋ひろみ、仲谷鳰、YUI_7、吉富昭仁。
百合好きならよく知ってる良作を生み出している漫画家さんばかりで、なかなか素敵なラインナップです。
どれどれ、と思って告知サイトを見に行ってみたら、三次元のセーラー服着たコテコテな女性二人の写真がいきなりドアップで表示されて「なんじゃこりゃ…」と、引いてしまいました。
この企画、よく見ると写真家が二人参加していて、漫画とコラボ企画をやるとかなんとか。
昨晩は、このコラボ企画への違和感でツイッターのTLが盛り上がっていました。
しかも、その企画のサブタイトルが「放課後に、そっと咲いた一輪の花」…うあー、これは地雷やぞ…。
この写真を見て百合としての魅力を感じないのはなぜなのか、私を含めみんな色々とツイートしていました。
百合作品=女子高生が主人公ってのは、自分が加齢していったこともあるし、もうこれでもかと読んだということもあって、今は全く求めなくなったというか、興味が出なくなってしまいました。
でも、それを省いていたら読むもの無くなっちゃいますからね…十代の少女たちにときめきは感じないけど、漫画のストーリーとして百合を楽しんでいます。
漫画だから少女たちのストーリーも、まぁなんとか楽しめるっていう感じです。
でも、写真って見せられるのが生身のモデルで、しかもそれ一枚だけじゃないですか。
思春期の期限付きという切なそうな感じで、なよっとセーラー服の子らが寄り添ってるって、もうそれいつの時代よ!?っていう。
それ今までさんざん皆がやり尽くした手垢まみれのやつじゃん、っていう。
こういうコテコテな構図を見ていつも感じるのって、「倒錯的な少女性が百合オタは好きなんでしょ?」っていう押し付けで、その偏見的な少女性を表現するのに百合が都合よく使われてんなぁ…っていうことなんですよね。
上記にラインナップされた漫画家さんたちが好きな層と、この写真で表現されてるものってすごく乖離してると私は感じます。
あと、なんで百合だとこういうわけ分かんない三次元コラボが有りになるのかも不思議というか、だってヘテロ恋愛漫画の紹介で三次元モデルの写真なんて使うことなんかないでしょ?
しかも、こんな食傷気味のありきたりなテーマをわざわざ写真で見せられても、はぁ?じゃないですか。
三次元モデルつかって写真で百合を表現するなら、それこそ大人百合でシチュエーションに凝ってやってくれば面白かったんじゃないかな、って思います。
海外のレズビアンカップルの写真とか、見ててニンマリするの沢山ありますからね。
あと、期限付きの関係って読んでて今後の関係性に希望がないのが、本当嫌なんですよ…。
百合ってファン層が雑多で、私みたいなレズビアン当事者のファンも多いジャンルなのに、地雷が多すぎるというか。
その点では、二次創作百合のほうがファンの熱意が反映されてるので、百合に希望を感じる作品が豊富だと感じます。
昨今の百合作品は、そういうネガティブな部分がどんどん改善されてて良い方に向かってると思っていた中での、この写真で、ちょっとがっかりでしたね。
あと、「少女性」の消費は百合に限らずなんのアートでももう食傷ってところもある。若手のアート展とか行くと男性作家も女性作家も猫も杓子も少女少女で「少女ってアートぽい」っていう感性がもうすでにおもんない。
— 宇井彩野(百合人企画) (@niyari_niyari) 2016, 1月 27
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