田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

サスペンスホラーで百合なNetflix「パーフェクション」の感想

Twitterで評判が良かったので早速視聴したNetflixオリジナル「パーフェクション」。

類まれな才能がありながら母親の介護のためにチェロの学校を辞めたシャーロット、そして現在チェリストとして第一線で活躍中のエリザベス。
チェロの恩師を介して上海のコンサートで二人が出会ったところから話が始まります。

では、ネタバレ含むのでご注意を。

意気投合し、みんなの前で二人で演奏。右がシャーロット、左がエリザベス。
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このときの曲が作品に合っててとてもよかった。

百合とは聞いてたんですが、思った以上にがっつりでした。
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二人の演奏に合わせたラブシーンが印象的。
(ピロートークのやり取りが、ブラックミラーのサンジュニペロそっくりだったし、二人の見た目もどことなく似てるのでわざとか?って感じだったw)

一夜を共にした二人は異国を旅して楽しもうとするのですが、エリザベスは体調が優れず不穏な流れに…。
バスに搭乗するも、エリザベスの体調がどんどん悪化し、途中で降ろされてしまいます。
バスのシーンが結構長くて結構突拍子もない感じがあるんですが、後からそれがなぜか説明があります。
この作品、一旦ストーリーの流れを見せたあとに、二転三転するのが見どころです。

そして、エリザベスの右手からわさわさと虫が湧き出し追い詰められたエリザベスは、でっかい包丁でバン!と自ら切断…

それから三ヶ月後、右手を失いながらもエリザベスは在籍しているチェロの学校へ戻るのですが、演奏ができない彼女は恩師の男性から追い出される羽目に。
自分への嫉妬で右手を奪ったシャーロットの復讐のためにエリザベスは家まで赴き、シャーロットを襲撃。
シャーロットを誘拐し、再び恩師の元へ戻るエリザベス。
そこで、この学校で行われていた生徒たちへの惨たらしい拷問、性的虐待の真実が見えてきます。

シャーロットもエリザベスも、チェロ教師の洗脳と虐待を受けていた当事者。
シャーロットは介護を理由に学校を抜け出ることができ、この環境がおかしいことに気づけましたがエリザベスは洗脳されたまま。
シャーロットはエリザベス救出のためにわざわざ彼女と出会いにいったわけです。
嫉妬と思い込んでいたエリザベスですが、シャーロットの「先生はあなたを愛してるわけじゃない。ただ拷問し、レイプしているだけ」という忠告は結局的を射たものであったと、学校をあっさり追い出されてからエリザベスは気付きます。

そこで二人は共謀し、教師らに復讐。
右手を失ったエリザベスだけじゃなくシャーロットも大きな犠牲を払う羽目になるんですが、この少女たちを狙ったレイプ魔への復讐のグロさが振り切っていて、拍手喝采って感じです。
エリザベスがめっためたにぶちのめすとき、「これは今まで虐待受けてきた少女たちの分」みたいなセリフがったのが、すごいよかった…
そうだよ、私はこういうカタルシスのあるものを見たかったんだよ!

同じ業界(特に芸術界隈)で女同士だと、何かと嫉妬や裏切りみたいな視線で見てしまいがちな偏見を上手いこと利用した作品でした。
それどころか、めっっっっっっちゃ百合!
特にシャーロット→エリザベスの気持ちの大きさは超百合です(いや、思いやっての行動だとしてもやりすぎだろっていうホラー的な魅力もある(笑)。

ゲロとか虫とか野糞とかスプラッタ的なものもあるし、性暴力を想起させる(映像としてがっつりあるわけじゃなく仄めかす感じ)ので色々要注意ですが、それが大丈夫で百合が好きな人には超おすすめです。
女二人がクソな男にしっかりきっちり復習するって話を楽しみたいなら是非見るべきかと。
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狭い権力構造の中では虐待やハラスメントがどんだけ起こりやすいかっていうのは日本の部活でも全く同じことが言えるし、しょっちゅうニュースでも見かけるので完全にフィクションとは言い切れない部分があって、そこがホラーかも…