田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

映画「チャーリーズ・エンジェル」のネタバレ含む感想

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楽しみにしていた、映画「チャーリーズ・エンジェル」を観に行ってきました!
寒くてなかなか出掛ける切っ掛けがないままだったんですが、気づけばもうすぐ公開が終わりそうなので慌ててチケットを購入。
ネタバレ含む感想です。

フェミニズムがっつりのアップデートしたチャーリーズ・エンジェル

長身でクールな武闘派のジェーン、変装が得意でちょっとウザキャラのサビーナ、そして自分が開発した商品が武器として軍事利用される危険を告発しようとしたことから命を狙われることになる天才エンジニアのエレーナ。
この3人が今回の主人公。
あらすじとしては、エレーナの開発したプロダクト(Googleアシスタントやアレクサのもっと凄い感じのやつ)の悪用を止めようとチャーリーズ・エンジェルであるジェーンとサビーナ、そこに巻き込まれたエレーナが仲間に加わり三人で世界を飛び回って悪と戦うっていう分かりやすいお話。
これまでのチャーリーズ・エンジェルに別に詳しくなくても楽しめます(エンディングのオマケ的なシーンで恐らく歴代のエンジェルが出てきてて、よく知ってる人は余計楽しめるみたい)。

最近は、アトミック・ブロンド、オーシャンズ8、ターミネーター:ニュー・フェイトなど、女性へのエンパワメントやガールパワーなメッセージを強く打ち出す映画が続いてて、チャーリーズ・エンジェルにもこれに続く流れを大いに感じました。
フェミニズム的メッセージが思ったよりかなり強かった!

冒頭でクリステン・スチュワート演じるサビーナが汚い金でリッチになったのぼせ上がってるアジア系男性と「デート」してるわけなんですけど、この男性の女のモノ化的な視線やサビーナを我が物にしようとがっついてるのがめっちゃキモくて、そのキモさが完全に意図的に演出されたものですよっていうのがちゃんと伝わってきて、そこでまず安心できたわけです。

今回はチャーリーズ・エンジェルを身近にサポートする直接的な上司ポジション「ボスレー(ポジション名で、名前じゃなくてこう呼ぶ)」が女性。
このボスレーが何やら怪しい動きを見せて3人はピンチに陥るのですが、実際の黒幕は…的などんでん返しなストーリー。

アクションシーン多くてばしばし戦うし、特にジェーン役の人は元々格闘技がお得意なんだとか。
それまでエンジニアだったエレーナはやむを得なかったとはいえ自分のせいで追ってきた男性に危害を加えたことを気に病んでたんですが、ジェーンとサビーナにすごい軽い感じで「忘れていい」って励まされててウケました(笑)

特にストーリーの最後の方はガールパワー大盤振る舞いでした!
おなじみの声だけ登場するチャーリーが音声変換してる女性だったのは、テンション上がった!
いや、マジそこなんだよ!
女達が活躍といっても結局指示出す一番偉いボスは男じゃん、ってのにもうみんな気づいてて、そこはやっぱこの映画も触れないのかなぁ、まぁお決まりだしな…と思ってたらちゃんと答え用意してくれてた!
女がリーダーになること、これをちゃんと意識してくれてるのが嬉しかった。

映画自体はオーシャンズ8と同じように大味な部分もあるんですけど、女達が悪どい男相手に暴れまわって、フェミニズムもきっちり描いてくれてるし、ストレスフリーに楽しめるエンタメ作品として高評価したいです。
あと、ハイヒールはピンチの時ダメダメだね、っていうKutoo案件もしっかりありました。
ここまでガールパワーブチ上げ徹底してると、男性が権威的ポジションに多い映画業界ではかなりウケが悪いだろうなぁ…とも思いました。

Netflixあたりでドラマシリーズ化してくんないかなぁ。
3人のキャラがすごい立ってたけど、2時間じゃやっぱどうしても短いからもっとそれぞれのバックグラウンドを掘り下げた話が見たい。
(サビーナのお嬢様設定なんかは特に映像で見たいでしょ!)

サビーナのゲイ要素はほぼ皆無

個人的に百合好きとしてはちょっと物足りなかったのはあります。
クールなジェーンにはヘテロロマンスシーンが用意されてんのに、あのクリステン・スチュワートをこんなイケイケなキャラで起用してて女とのシーンがないって勿体なさすぎでしょ!
見てる側のみんなは絶対期待してるのに(してるよね?)。
字幕についてもすでにTwitterで指摘がされてたんですが、結婚してたの?って言ってるのを、「旦那がいたの?」って字幕では変換されてしまってるっていう。
(サビーナの相手はターゲットだったのか、ぶっ殺したみたいな返事をしてたけど、単純に相手に近づくためだけの結婚式だったってことかな)

というのも、サビーナはゲイって監督が言ってるのが記事になってるんですよね。
front-row.jp

「間違いなくゲイ」ですよ?
クリステン・スチュワートのイケイケっぷりからフィルターかかる部分はあるけど、ただ、この映画からサビーナという人物そのものがゲイって読み取るのはかなり難しいと思う…。
冒頭でジェーンと休暇について話してるときも男でも引っ掛けて遊ぼうみたいな訳が出てきてて(英語で実際にそう言ってるのかは謎)(追記:Twitterで親切な人が性別については示していないと教えてくれた。かなり強烈なヘテロ補正がされた翻訳だったみたい)、サビーナがゲイだとはっきり明示するものが作中にはなかったと思います。
エレーナに優しく接する感じはあったけど、仲間だしレズビアンっぽいって感じでもない。
もっさい男とのヘテロシーン入れるくらいなら、そこをちょっとサビーナのL要素に割いてくれてもいいのに。超勿体ない~…
でも、オーシャンズ8でもあれだけ女いて一人もレズビアンキャラいなかったし、大作映画でレズビアンを扱うのってそれくらいまだまだハードル高いんだな、と思いました。
誰かとロマンスになるわけじゃないし(エレーナも)、まぁ監督がゲイだって言うんだからゲイだと思っときます。
どうでもいいけど、お船で帰ってる三人がくっついてるのは可愛かった。