田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

フランスの芸能界の裏側が舞台!Netflix「エージェント物語」S1~S4の感想


オリジナルタイトルは「Call My Agent!」です。
なぜこんなB級作品のようなダサい日本語タイトルに変えてしまったのか謎すぎる。
日本ではいまいち話題にならないんですが、海外ではかなり人気作品のようです。
だいぶ前から配信されていたんですけど、Twitterでレズビアン作品を調べていてたまたまメインキャラにレズビアンがいると知ったのでつい最近一気に視聴完走しました。

あらすじ

舞台はフランス、パリの芸能エージェント事務所。
役者たちに仕事を斡旋し、現場だけでなく時には役者の私生活まで色々とサポートするために奔走するエージェントたちのヒューマンコメディドラマです。
日本の芸能事務所と違って、役者が顧客としてエージェントと個人的に契約して、エージェントが事務所に所属しているという感じ。
なので、同じ事務所のエージェント同士でも顧客や大型契約を取られないよう駆け引きが激しいのなんのって。
ただ舞台であるASK事務所はボスの方針で比較的アットホームなところが魅力。
しかし、そのボスがぽっくり亡くなってしまい、さて事務所をどう運営していくかってとこから始まります。
エージェント事務所という裏方で働く人たちの悲喜こもごもな人間関係とライバル事務所との熾烈な争いなど芸能界の栄枯盛衰を描いています。
実際に活躍している豪華な俳優陣が当人役として1話ごとにゲスト出演する形になっていて、フランスの芸能界に詳しいとかなり面白いのでは。

現在、シーズン4までが配信されています。
1シーズン6話で1話が1時間ほどなので、一気に見るのに丁度いい長さではないでしょうか。

メインキャラにレズビアンが登場

ここからは作中のレズビアンカップルに着目した紹介です。
以下はネタバレなども含みますので、ご注意を。

メインキャラのエージェントの一人が30代半ばのレズビアンで、アンドレアという女性です。

左がアンドレア、右がコレット

アンドレアはかなり物事はっきりを言うしカッとなりやすく激情型の性格ですが、担当してる顧客のためなら私生活を犠牲にしてどこへでも駆けずり回るし難しい交渉でも攻めるバイタリティがあり、事務所内でもかなりやり手です。
私生活では気ままに女をとっかえひっかえ享楽的な関係を繰り返し、独身生活を満喫中という感じ。

そんな彼女ですが、とある切っ掛けで事務所に厳しい税務調査が入ることになり、アンドレアは税務調査官として事務所を訪れたコレットのことがひと目見たときから気になって仕方ない様子。


それもそのはず。
実はコレットとは以前レズビアン向けの出会い系アプリでマッチングしたものの、本気の相手を探しているコレットを"少女趣味"で自分の好みじゃないと、酷いメッセージを送って一方的にやり取りを切った相手でした。
アンドレアはすっかり忘れていたけどコレットはしっかり覚えていたので、アンドレアに対して頑なな態度を崩しません。

それでもめげない逞しいアンドレアは、仕事も性格もお堅いコレットに何かとちょっかいを掛けます。

ピンチはチャンス。


軽薄な態度にお怒りのコレット。

女ったらしと真面目ちゃんの正反対な二人のベタなラブコメ感が超楽しいw
永遠に見てられる。
こういうベタな展開でニヤニヤできるのって、本当レズビアン作品では少ないですからね。
レズビアンのコメディ作品もっと増やしてくれ~!
そんなわけで色々擦った揉んだしながらも二人は結ばれます。


担当してる俳優の愚痴にも上の空で、我慢できずにカノジョの惚気話をする始末。

ただ、アンドレアがどうしても仕事中心で私生活は二の次なので、コレットとの約束すっぽかしたり、その場のノリで女の子と好き勝手する癖が抜けず、身から出た錆でコレットと破局して終わったのがS1のラスト。
この時は、レズビアンキャラによくある短期限定のロマンス相手かぁ、お似合いだったのに…と思ったのですが、なんと色々ありながらもS4の最後まで連れ添います。びっくり。

ただ、S2から事務所を買収したイシャムというアンドレアの子供時代の同級生で意地の悪いというかモラハラ気質の成金男が登場し、アンドレアはこいつと女を取り合いしてたのになんでかうっかり肉体関係を持つんですよ。そして妊娠。
本当にかなり無茶苦茶な展開。
S1の序盤で子供欲しいって仄めかしているので気になってはいましたが、まさかこんなことになるとは。
(アンドレア役の人がシリーズ始まってから出産しているんですが、それに合わせたのかな)

アンドレアは別れたはずのコレットに未練タラタラな様子を見せてコレットに妊娠を告白。
産むつもりはなかったけどコレットの言葉でよりを戻し、二人で子供を育てるという展開になります。

まさかの事務所で産気づいて女の子を出産。

コレットは娘の母親として法的に認められたいのにイシャムが変なプライドから親権を要求してきたり二人の間を邪魔してきて、もう我慢ならないアンドレアは裏で新事務所設立しようと画策したり怒涛の波乱続き。
(このドラマで波乱のない人間関係はないけども)

レズビアン関係にヘテロ男が絡むのが超無理すぎるのと、何よりイシャムの性格が悪すぎて見てるとストレスが凄い!
アンドレアにしつこく付きまとったり中絶を含む身体的な決定権に口出ししたり、女二人だからって馬鹿にしてまた子供作れば?等と無神経な発言を繰り出してくる。
(因みにコレットは、男となんて絶対にありえないし理解できないという感じのレズビアン)
アンドレアはギャンギャン怒るタイプなのでやられたらやり返すけど、それとは対照的で生真面目で嫉妬深いタイプのコレットはイシャムの介入に気が滅入っているのですが、イシャム絡みは視聴者側もかなり気が滅入る展開が多い…。

イシャムは事務所のみんなどころか別居中の子供からも嫌われており、まぁ後々しっぺ返し的な目にもあって一応改心はするんですけど、それじゃ全然物足りないくらいの精神汚染をばら撒く野郎です。

とにかくレズビアン要素的にはS2とS3がストレスが溜まるのは間違いないんですが、幸いな事にS4ではイシャムがロンドンに戻ってCEOをアンドレアに譲るので、ほぼ出番がなくなって話にも関与しなくなります。
あれだけ毒ばら撒いていきなり消えるのはどういうわけなのか。
とりあえずこれから見る人はS2とS3を頑張って乗り越えて下さい。


邪魔者が消えて二人で保育園の説明を聞きに行ったりしてますが、子育てと仕事に忙殺されてこれもまた大変な事態に…。

男の介入が厄介すぎますが、アンドレアとコレットのカップリングはケミストリーが感じられて魅力的ですし、ドラマの最後まで寄り添うLカップルが見れるとは思ってなかったので楽しめました。

(最後の最後でちょっとヒヤッとさせられましたが)

余談ですが、こてこてなゲイのキャラクターもメインにいます。

芸能界の男性主義を皮肉ったりフェミニズム要素も多いですし、カンヌ映画祭が舞台になっている華やかな回もあって見ていて飽きないテンポの良さでした。
作中作品のシーンで女性監督の姿がかなり多かったのが印象的。

ただ残念なのが一部の翻訳!

未だにこういうの目にするとがっくり。
Netflixはレズビアンを「レズ」と翻訳する作品が多すぎて、以前からその点で物凄く字幕の評判が悪いんですよね。
この場面はNetflixの視聴画面から字幕への苦情として報告したので、早く修正されるといいのですが。
S4ではレズビアンというワードたくさん出てきましたが、こういう改悪はありませんでした。

アマプラに是非、リクエストを…

元々シーズン4で一区切りという形だったのですが、かなり好評だったようで、すでにスピンオフの映画版とシーズン5の制作が決定しています。
映画版はアンドレアが主軸のストーリーらしい。

そして、つい先日リメイクしたイギリス版「Ten Percent」がもうAmazon Primeで配信されてるんですよ!海外では!
こちらでもアンドレア役ポジションのレズビアンが登場しています。
www.youtube.com
アマプラで見られるなら入会する!って検索しても作品が見当たらず、Amazonのカスタマーチャットで問い合わせて調べてもらったら日本では配信未定でした…。
悲しすぎる。

仕方ないので、リクエストを伝えて欲しいとお願いしておきました。
↓Amazonのカスタマーチャット
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/contact-us
(未公開作品のリクエスト送る場所がないみたいなので、カスタマーのチャットか電話で言うしかないみたい)
出来ればみなさんも是非お願いします…。

そして、まさかのボリウッド版もあるとかで、こちらはNetflixで検索したらリマインダーが出てきたので近日配信されるようです。
www.youtube.com
レズビアンの設定どうなるんだろうと気になりましたが、ちゃんとこちらも同じままのようです。
配信されたら見る予定。