自民党の今津寛衆院議員(68)は18日、民法の成人年齢引き下げを議論する党成年年齢特命委員会であいさつし、「高校生がセーラー服を着て産婦人科に入り、子供をおろすことができるというのは世間だれもが認めないだろう」と語った。
なんで、いきなりセーラー服…???
Twitterでは、セーラー今津なんて呼ばれるくらい、この突拍子もない意見に、セーラー服への奇妙な執着を感じる。
なぜ成人年齢の引き下げの話で、セーラー服の女子高生が中絶に行く、というわけわからんとこに繋がるのか、そしてなんでその行為を世間が認めないなんてことになってんのか、意味不明な点ばかりである。
世間じゃなくて、この今津という人が認めてないだけなのだが、なんつーか中絶行為への偏見が駄々漏れだよなぁ、と思ったり。
私が高校生の頃に読んだ「さらば、悲しみの性」という女性の産婦人科医が書いてる本は、高校生の中絶など多くの実例を紹介しているのだが、中絶は日帰りでできると思ってる人が多いが、入院が必要なので、思ってるほどお手軽に出来るものではない、と書いてあった(ちょっと古い本なので今はどうかわかんないけど)。
- 作者: 河野美代子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/05
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 28回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
内蔵を引っ掻き回すのだから、どちらにしろ身体的にも精神的にもダメージは大変だわな。
そして、セーラー服で産婦人科に行って堕胎したって、それがなんだ、って話で、この議員は望まない妊娠でも、そのまま産めばいいと思ってるのか…?
どうせ、清純でいなければいけないはずのセーラー服の女子高生が、成人指定されたらきっとエロいことしまくって、産婦人科(=中絶)に行く女子が増えるに違いない、とかそんな感じなんだろ。
今津氏の頭の中にある女子高生へのイメージが、そのまま発言にそっくり反映されてるというか。
大体、この場合の相手男性の存在についての見事なスルーっぷりは一体なんなんだろう、と毎度のことながら突っ込みたくなる。
セーラー服の女子高生は、処女懐胎する能力なんて持ってないんですけど!
女子高生の妊娠・堕胎に反対するなら、正しい性教育の充実は欠かせない問題のはずだが、この手の人らはあれも反対、これも反対、とにかく性と名のつくものは全て反対!性の自己決定権は許さない!って頑固なので、もうどうしようもないよね…。
こういう偏見が産婦人科へのハードルを上げているわけで、本来なら未成年の学生でも月経痛とか生理不順とか気になることがあるなら制服のまま通院していいはずなのに、こういう大人たちが偏見をまき散らすから、病院で解決できることを放置したまま我慢してしんどい思いしてたり、妊娠しても一人で問題抱えて取り返しのつかない子がでてきたりで、不幸しかないんだし、セーラー服の女子高生の意思決定に文句つける暇があるなら、政治家として学生たちへの性教育の拡充くらいやってくれればいいのに。
- 作者: やまがたてるえ
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2010/11/23
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 11回
- この商品を含むブログを見る
イラスト版 10歳からの性教育―子どもとマスターする51の性のしくみと命のだいじ
- 作者: “人間と性”教育研究所,高柳美知子
- 出版社/メーカー: 合同出版
- 発売日: 2008/08
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 155回
- この商品を含むブログ (6件) を見る