「ゆるゆり」ってかわいい女の子のキャラクター“しか”出てこないの? https://t.co/TQ5YfqK6BT
— クーコ (@kuko_stratos) 2015, 3月 8
えー、なんかすごいな。一応人型の生き物が人語をしゃべって展開するお話で、「若くてかわいい女性」型キャラしか出てこないって、内容は1ミリも知らんけど、それだけですごくぶっ飛んだ設定に思うわ。「外」がないというか……。 @age3plus
— クーコ (@kuko_stratos) 2015, 3月 8
このツイ主が反応したのは、この画像です。
TVアニメ『ゆるゆり』3期制作決定です!!!! つっ、つつ、ついに…皆様本当にありがとうございます!これからもゆるゆりをよろしくお願いしますーー!!o(*`'▽')o #yuruyuri pic.twitter.com/gn8ckDwNS2
— なもり (@_namori_) 2015, 3月 7
(ちなみに脚本は深見真氏だとか。百合を書くひとではあるけれど、どっちかといえばネームバリューの話題性狙いなのかな)
可愛いっちゃ可愛いけど、プリキュアのポスターだって美少女がうじゃって集まってるし、美男子だらけの作品だってあるし、なんだかなぁ…。
しかも、「一応人型の生き物が人語をしゃべって」だの、「外がない」だの言いたい放題ですね…。
本人としては不思議だったから問うてみただけ、ということらしいですが、この表現に悪意を感じないというのは無理でしょ。
なんか既視感あるなぁ、と思ったらけいおん!のときも似たような批判をみかけたのでした。
都合のいい美少女の箱庭を消費するオタ男性たち、という批判というか。
しかし、あれは監督も女性だし、私は女性でありながらけいおん!ファンでしたので、そういう女性たちから結構その批判に対する批判の声があがってました。
この「ゆるゆり」という百合作品へのツイートも、文脈的に女性ファンの立場というのは無視されているように感じます。
私は、百合における女性ファンの立場の不可視化には常々腹立たしいものを感じていて、なぜか百合ジャンルをよく知らない人は百合を男が消費するものと思い込んでるふしがあるんですよね。
時々、BLと対にして語られたりもしますが、その消費層はかなり違っていて、百合は消費する男女の比率が半々くらいで雑多なのです。
しかも書き手も同性である女性が多いですし。
(ネットで読めるようなオリジナル百合作品などは、書き手の殆どが女性)
そういう部分を知らずに、男性向け萌え文化の延長みたいに語られると、どうしたって女の百合ヲタがいることを無視するな!ってイライラしてしまいます。
そして、私が我慢ならなかったのがこれ↓
@schwarzekatze85 あと、百合好きな人がどう考えるかはよくわからないけど、男も女もいろんな人がいる中で、ある人に惹かれ、親密になったりあれこれある、という方がおもしろいんちゃうかなとか。
— クーコ (@kuko_stratos) 2015, 3月 8
この人は商業百合作品を全然知らない人っていうのが、この発言ですぐわかるのですが、それはこれまでの百合作品がいかに男混じりの地雷展開まみれだったかを知っていれば、とてもじゃないけどこんな無邪気な発言はできないと思うからです。
(ちなみに、色んな人というけれど、視覚障害の少女と根暗少女の「くらいもり、しろいみち (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)」って百合漫画がすでにあるが、どうせ知らないんでしょう)
最近は、クオリティがあれで積ん読になっている百合姫ですが、ちょっと前の百合姫を読んでいたら許嫁だかの男性教師に無理矢理女子高生がキスされる、ってとこから展開するようなのがあって、私はなんで百合雑誌でまでこんな暴力的なものを目にしなくちゃならないのだろう、ってうんざりしたんですよね。
百合専門雑誌でさえ、こういうことがままあるわけです。
(百合男子なんてわけわかんないのまで連載されてるし…)
百合ヲタやってたら男絡みの地雷展開ってのは、本当切っても切り離せないというか、私なんかはネタバレだろうがなんだろうが、ストーリーやオチをレビューなどでちゃんと確認してからでないと、百合作品を買うことはしません。
ジャケ買いなんて、金をドブに捨てるようなものなので、まず無理です。
それくらい、これまでの百合作品って男絡みの地雷が本当に多くて、それは現実社会のヘテロセクシズムとかジェンダー観が作品に反映されてしまうからでしょうかね。
BLで女性の存在が百合作品における男性ほどに脅威になるってことは、あまり聞きませんし。
そういう部分が反映されがちな現状において、百合作品を読みもしない人が「男も出しといたほうが面白いんじゃね?」なんて、いくらなんでも傲慢すぎるでしょ、って正直感じます。
私は男性がまじってくるような三角関係の百合はもう見たくないわけです。
百合が読みたい私にとって、作品に登場してくる男性キャラっていうのはすっごい邪魔なんですよ。
こういうのって、百合においては使い古されてきた非常に古典的な地雷で、ツイで色んな人間を出した上での百合って言ってますけど、これまでその展開にどれだけ百合ヲタが泣かされてきたことか。
私が読みたいのは、三角関係なら女三人の三角関係なんです。
昨日、百合漫画のレビューを書きましたが、最近になって、ようやく商業作品でもそういう百合が楽しめるようになったことを喜んでいる私には、なんにもしらないなら余計なこと言わんでくれ、(#^ω^)ピキピキ…ってのが本音。
老若男女でてきて百合もあるような作品は、大抵百合オチではなく、最終的に男とくっつくようなものが多いですしね。
フィクションくらい女だけの世界を楽しみたい私は、もうそういう地雷作品にはお金落としたくない。
ゆるゆりは、そういう意味では私でも非常に安心して読める作品なんですよね(百合レベルは低いけど)。
けいおん!も、男性キャラが介入することで起きがちなジェンダーロールにキャラが抑圧されるということもなく、非常にストーリーも面白いものでした。
女性のみの世界観っていうのは、そういう楽しみがあるんですよね。
私は、百合にそういう女性の自由さ求めていたりもするので、男も出しとけば政治的に正しいから、っていうのを現状のジェンダーロールのままで「百合」ジャンルにまで持ち込まれたら、これまで地雷だらけだったものを乗り越えてようやく商業百合にも自由さが出てきたのに、また逆もどりになる危険があるっていうことを百合ヲタとして指摘しときたいと思います。
百合にヘテロ男性が出てきても警戒せずに楽しめるのはまだまだ先の話だなあ…と思う。女ジェンダーが、「女」というだけで男ジェンダーに害を受けなくなるまで。
— 山河ふもと (@ymkw6) 2015, 3月 9
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