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田舎で底辺暮らし

貧乏喪女がネットの気になる話題など、雑多にあれこれ書いてます。

 

名誉殺人と闘う女性たち

TV テレビ 雑感

NHKのNEXTスペシャル「名誉殺人の闇の中で」を見た。

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女性の権利と教育の大切さを訴え、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさん。
彼女の故郷パキスタンで深刻な問題となっているのが、「名誉殺人」だ。
女性が、家族が決めた相手以外と結婚した場合などに「一家の名誉が汚された」として、父親らが娘を殺害する。
番組では、父親に銃で撃たれ一命を取り留めた20歳の女性や、13歳の時に性的暴行を受け、マララさんと出会って変わり始めた女性らに密着し、その思いを伝える。
NEXTスペシャル - NHK

パキスタンを含む世界25カ国で行われ、毎年5000人もの犠牲者をだしている「名誉殺人」。
取材では、マララさんの故郷・パキスタンでの女性たちの実情を紹介。

警察の管轄が行き届かない農村部などで、地域の有力者などが中心となって自治組織として独自で「名誉殺人」を行ったりする。
男性優位と女性蔑視の意識が根強く、自由恋愛などしようものなら、ふしだらな女を野放しにするな!女達に蔓延する!と、女を正しく管理するために名誉殺人で食い止めろ、というわけだ。

それだけでなく、13歳のときに姪のプレゼントを買いに行き強姦被害にあったカイナットさんは、被害者であるにもかかわらず名誉殺人のターゲットにされた。
強姦被害の裁判をおこすも、容疑者(プレゼントを買った店の経営者と親族の男たち4人)の親族から猛抗議にあい、すさまじい嫌がらせを受ける。
容疑者は釈放され、すぐに控訴すると、カイナットさんの兄は何者かに殺害された。

父親から銃撃された女性は、実家をでて夫の家で暮しているけれど、逮捕された父親に自ら和解を申し出てたった2ヶ月で釈放された。
父親は、「地域で生きていくために名誉殺人は仕方ない。娘のせいで生きにくくなった。娘が許しを乞うてきたので、許してやった」と、飄々と語っていた。
(パキスタンでは、どんな罪でも和解が成立すれば無罪になるとか)
娘が和解を申し出た本当の理由は、父親が怒りを抱えたまま釈放され復讐されることを恐れたからだ。
夫の実家で暮らしていても、また殺されるのではと、人が訪ねてくれば物陰に隠れる生活が続いている。

同時にこの国で問題になっているのは、10代前半で結婚させられる「児童結婚」。
NGOに相談した女性は12歳で結婚させられ、酷いDVを受けて体中が傷だらけになっており、しかも6歳の姪までもが、父親の借金のカタに結婚させられそうだと苦悩していた。
相談を受けたNGOの女性に、相談者の父親か夫か忘れたけど、そいつから余計なことはするな、と脅迫の電話がかかってくる始末…。
NGOの女性は「男性には全ての権利が与えられ、女性は全ての権利が奪われています、女性は奴隷の鎖に縛られている」と語っていた。

それでも、10代の女性たちはマララさんの存在に勇気を得て、自ら児童結婚反対のグループを結成。
グループの代表は12歳の少女で、自らも9歳で結婚させられそうになった経験がある。

身の危険のため、外出もままならず、8年も苦しみ続けたカイナットさんにマララさんから連絡が入り、ノーベル平和賞の授賞式への招待状が届く。
マララさんはカイナットさんのことを受賞のスピーチで話していた。

カイナットさんは、人権団体の集会で壇上に立ち、「私は死を恐れず、パキスタンを変えてみせます」と宣言。
黙っていても何も変わらない、誰かが勇気を持って立ち上がらなければ、と訴えた。
番組では希望ある終わり方ではあったけれど、現実はそんな綺麗事でもないだろうし、これからも彼女たちには身の危険が付きまとい続けるだろう…。

男性優位の社会では、女性が権利の声を上げて立ち上がることが、命の危機に繋がる。
死の宣告と闘う本当に大変な状況で女性たちが生きている姿につらい気持ちになったし、彼女たちに1日でも早く平穏に暮らせる日々が訪れて欲しい。

それにしても、パキスタンの男性たちの言うことが、日本のミソジニーを抱えたネット界隈でもよく見かける既視感バリバリのものばかりだったので、なんとも暗澹とさせられた…。

わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女

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