田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

働く女性を守るじゃなく、働く女性を差別する社会に切り込んでほしい

昨晩はクローズアップ現代の「どう守る 妊娠中の働く女性」を、ぼんやり見ていた。

「切迫早産(早産寸前)と診断されたのに、休ませてもらえない」「体調不良を訴えたが夜勤を外してもらえない」。
いま、全国の労働局に妊娠中の働く女性からの相談が相次いでいる。
「仕事と子育ての両立支援」が叫ばれる中、出産に至る前に困難に直面する女性が増えていることがわかってきた。
長時間労働や過酷なノルマを課せられる女性が増え、「妊娠期の働き方」が新たな課題となっている。
最新のアンケート調査と働く女性たちの実態、そして、動き出した企業の取り組みから、何が必要か考える。

妊娠した正社員の女性たちが上司に「病気じゃないんだから休むな」と言われたり、花形部署を任せられたプレッシャーと残業できないなら部署異動になるって脅しから無理に残業したりで、結局流産したという体験談などが紹介されていた。
それって会社側は事件として罰せられたりしないのかなぁ、って不思議に思ったり。

非正規じゃお金が少なく貧困で子供にまで金を回せず、正社員でもハードワークで子供を持つのが難しいというこの社会で少子化対策を声高に主張したって、女性が無理なく働いてお金も稼げる社会を築き上げない限り、子供は増えないってことはみんな分かりきってるはずなのに、なんかどうしてもそこを見てみぬフリしているように感じる。

あと、こういう特集をみるたびに思うのだが、こういう無理を強いられている被害者側ばかりに焦点絞って取材しても、弱者側なんだから言いなりになるしかないわけで、その悲惨な現状リポートもいいんだけど、いい加減に加害側のほうに切り込んで、その悪質さと差別意識を暴いていかないと、報道としてどうなの?って思ったりもする。
一生懸命頑張ってるのにかわいそう、でも一部の大きな会社が妊娠している社員に対して無理させない取り組みをはじめました、希望はあるよ、ってそんなまとめ方しててもなぁ…。
いつまでたっても生ぬるい感じで、モヤモヤしてしまう。

昨日の朝日新聞の女性議員に関するアンケートとかもそうだけど、なんでもっと差別側の問題意識に踏み込んでいかないのか、いつまでたっても被差別側だけが頑張る問題として語るのか、正直、見ていてイライラすることが多い。

マックの異物混入であんだけ大騒ぎしてたのに、こういう問題には全然踏み込んでいかない報道姿勢って、なんだかなぁ…。

遊廓のストライキ: 女性たちの二十世紀・序説

遊廓のストライキ: 女性たちの二十世紀・序説