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田舎で底辺暮らし

貧乏喪女がネットの気になる話題など、雑多にあれこれ書いてます。

 

篠田節子「夏の災厄」を読了

book 本

読み終わったのはちょっと前だったけど、記録。

夏の災厄 (角川文庫)

夏の災厄 (角川文庫)

たまたま手にとってパラパラ読んでみたら面白くて、夢中で読みました。
あらすじは、郊外のある地域で致死率が異常に高い日本脳炎の亜種のようなものが爆発的に広がって、対策と原因究明に町の医療関係者や市の保健職員らが奮闘するというホラーパニック小説とでもいえばいいのか、そんな話。
日本脳炎は蚊を媒介とするので、夏から秋頃におこるらしく、それでこのタイトルなわけです。

アカかぶれと噂される町医者の男性、気弱なのに嫌味の多い若い保健職員の男性、頼りがいのあるおばちゃん看護師という、この三人の視点で物語が進みます。
日本脳炎のワクチンを確保する大変さ、国の事なかれな後手後手の対策で見捨てられた地域で三人が必死に原因を突き止めるために奔走。

私は特にこのおばちゃん看護師の房代(だったかな?)というキャラが非常に気に入って、やたらバイタリティがあるのでそのうち院内感染やらでフェードアウトするのでは、ってヒヤヒヤしながら読みました。
医療現場ってこういうリスクと隣合わせで、本当に大変だ…。

実際、最近でも、MERSやエボラ出血熱のニュースが大きく取り上げられたりしましたが、もし日本でああいった感染が広がったり、それ以上の想定外のパニックが起きたら一体どうなるのか、地域に密着してる立場の人たちの視点で非常にリアルに描かれてます。

雰囲気としてはちょっと小野不由美の「屍鬼」に似てるなぁ、と思ったり。

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)

登場人物が多くて、どんどん感染が広がり医療が追いつかずに地域社会が破綻して追いつめられていくっていう共通点とか。
屍鬼が好きなら、こっちも結構楽しめる気がします(ファンタジー設定じゃなく最後まで医療ネタですが)。
そういえば、残穢が来年映画化ですが、聞き込み調査ばかりしてるあの作品のじわじわくる怖さをどう表現するのかちょっと気になってます。youtu.be
(個人的には、久保さんを女子大生にしたのは本当にがっかり。原作通り働いてる女性にしてほしかった。竹内結子の演技は安心感あるけど、橋本愛はあんまり演技が上手いと思えないのでそこもなぁ…でも、映像は雰囲気あるので期待したい)

脱線しましたが話を戻して。
ページ数の多いずっしりした長編ですが、とにかく先が気になるので、あっという間に読み終えられる満足度の高い一冊。時期的にも読むにはピッタリでした。

篠田節子の本は、高校生くらいのころに「ハルモニア」を読んだだけ(これも面白かった記憶)でしたが、他のも読んでみようと思って、今は「ゴサインタン」を途中まで読み進めてるところです。

ゴサインタン―神の座 (文春文庫)

ゴサインタン―神の座 (文春文庫)

ただ、たくさんある作品のどれもが自分好みって感じではなかったので、読みたいのを選ぶのが大変かも。