「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」の監督の発言が、Twitterで批判されていた。
「こんなにたくさんの人に観てもらえて嬉しい」と満席の場内を見回して万感の塩谷監督だったが、本広総監督は、「しかも女性が多いんですよね」と、観客に女性が多いことを指摘しだし、「こんなはずじゃなかったんです。男が観る物語としてどれだけ骨太の物語のSFを作れるかというのでやってたつもりだったんです。ほとんど女性じゃないですか。『萌え禁止!』とか言いながら作っていたんですけど、残念です(笑)」と、冗談気味に狙いとは違った結果となった様子を見せ笑いを誘っていた。
http://newslounge.net/archives/154976
この記事を監督本人がツイート。
案の定というか、女性陣たちからは信じられない、と呆れられていた。
完成披露試写会にたくさんの方が御応募して下さってありがとうございます!びっくりするほど女性客が多くて戸惑いました!
— 本広克行 / Katsuyuki Motohiro (@kmotohiro) 2014年12月20日
本広克行総監督「劇場版サイコパス」に客席見回し「こんなはずじゃなかった、残念」 http://t.co/JNVV030bVb @newsloungenetさんから
試写会ではちょっと印象が違ったようだ、捏造だ!などのツイートもあったけれど、監督本人が特にコメントもなくこの記事をツイートしたのなら、さほど本心と差異はないってことなんだろうと思う。
まさか批判されるとは思ってもみなかったんだろうけど、不況のこの時代にさ、時間削ってちゃんと作品にお金落として楽しんでいる女性ファンが、「キャラ萌えもない、骨太なSFは女には分からんでしょ?ww」なんて、こんな蔑ろにされる理由ないわけで、そりゃ怒るわな。
もうこの作品には金は落とさない、って怒ってる女性もいた。
この前の漫才番組のゲイネタ嘲笑とかもだけどさ、冗談だからってそういう発言がスルーされる時代じゃないよ…。
誰かをバカにしておいて、そんなことでいちいち怒らなくてもw、なんて蔑ろにしてる側が言うことじゃないんだよね。
そんなに男性ファンを獲得したいのなら、男性向けの萌え要素を詰め込んだら、女性は減って男性が食い付いたんじゃないの?って思うし、なんか制作側のマーケティングが上手くいってないのを客側に責任転嫁されても、なんだそりゃってなるわな。
これまでも、ロボ映画は女お断り、特撮はイケメン目当ての女には分からん、とかオッサンが言ってるの見てきたけど、もうそういう排他的な界隈は、そのまま男たちだけで凝り固まって衰退していけばいいんじゃないんですかね、と冷めた気持ちになる。
1期は深見真氏が脚本に参加していてそのお陰かレズビアンの登場人物もいたから、いつか見てみたいと思っていたんだけど、監督がこういう意識でいるのなら、どうしたって見る気失せるよね…。
ていうか、SFなのに男とか女とか拘ってるのって、もうその時点で、SFの魅力を殺してる気がするんだけど、どうなの。
この手の「男の世界は女にわからんはずなのになんで女がこんなに食いつくのか。解せぬ。イケメン(キャラ)目当てか」系の考え方にそろそろ名前をつけたい。
— この茫漠たるH.イワシタ OF THE WORLD (@iwa_jose) 2014年12月21日
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