昨日、よしながふみ「大奥」を13巻まで一気に読みました。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2016/04/28
- メディア: Kindle版
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赤面疱瘡という男性だけがかかる病気が日本で大流行して男性が女性の四分の一にまで減少、そこから女性将軍が次々と誕生し、大奥には女性ではなく男性が集められるって話なんですけども、興味深いストーリーとか色々ありますが、とにかく一つ言いたいことがあるのでその部分にフォーカスして記事を書きます。
この漫画、8巻の終わりぐらいから平賀源内という女性キャラが出てきます。
源内はここにきてようやくはっきりレズビアンとわかるキャラです。
よく男性と間違えられる変人と紙一重の天才。
それまでも綱吉と吉保とか、家宣と詮房とか、百合っぽい感じの関係はあったんですけど、そもそも主従関係で結局どっちも男と肉体関係持ったりでなんかいまひとつでした。
この男女の人口比であまりに女性同士の関係が少ないだろう!って思ってたところだったので、やっとか、と。
菊之丞という女性の人気役者と半同棲生活ながらも、気が多い源内にぞんざいに扱われた菊之丞が激昂。
源内は現将軍のお仕えである田沼というやり手の女性と懇意にして蘭学を大奥内に持ち込んだりと、色々と目立つ動きが多く、田沼らに批判的な反対勢力にとっては目の上のたんこぶといった感じ。
その反対勢力の跡目争いに、源内と揉めた菊之丞が隙をつかれて利用されます。
端的に言うと、ガラの悪い男らに源内が暴行・強姦されるんですよ。
そして彼女は、そのときうつされた梅毒が原因で死ぬんです。
いまだにここまでひどい地雷があるのか…!と、びっくりしました。
この時代、女が圧倒的に多くて力仕事もなんでもこなしてるわけで、男はすぐ病気にかかって死ぬので家の奥で大事に育てるって風潮なのに、レズビアンを強姦するためにいきなり男がどかっと出てきたわけですよ。
腕っ節のつよい女なんていくらでもいるのに、強姦は男にさせてるわけ。しかも女同士の色恋の揉め事なのに。
漫画は序盤に大奥内で新参者が気に食わない男らにレイプされる少年がいますけど、きっちり相手に報復して殺してるし、その後は上様の側室になって娘が産まれその子が将軍にもなったので、その父親として権力を握って大往生だったわけです。
他にも女性で出合い頭の男に強姦された将軍がいますが、これも相手を殺してます。
この漫画に登場する性犯罪被害者は概ね加害者に対してそれなりの報復をやってたりするわけですが、源内は暴行されたことを恨むでもなくあっけなくそのまま梅毒で死んじゃうわけですよ。
なんかそこが超ヘテロっぽいって感じでした…。
レズビアンを男がレイプするシーン出して、心優しいまま死にましたとか全く納得できないし、たくさん出てきたうちのレズビアンキャラの一人とかじゃなく、やっとはっきりレズビアンってわかるキャラと思ったらこんな終わりで、あれこれ地雷百合を踏んできたつもりですけど、久々につらい気持ちになりました。
正直、すごくダメージくらいました。
世の非情さをあえて表現するために、みたいなので男にレズビアンをレイプさせてるのか知らないですけど、みんながあまりに同じようにそれやってるから超手垢付きまくりで陳腐なので、もうちょっと違うアプローチしてくれませんかね?
余談ですけど、今Netflixで見てるアメリカン・ホラー・ストーリーでもレズビアンが男に強姦されるシーンが出てきて、立て続けだったから本当に一体なんなの???レズビアンってレイプとセットでしか描けないの?って感じ。
超テンション下がったまま読み進めましたけど(実父に性的虐待うけてる女性将軍まで出てきちゃったし)、あっさり男女同数になって男尊女卑社会になっちゃってるし、この漫画、結局女は差別されまくる現代のクソ日本に戻って終わるんですかね。
思いの外、ダメージを受けてちょっといまだに引きずっております…(’へ’)