田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

同性カップルへの証明書条例案の背景に潜んでいるもの

渋谷区が同性カップルに結婚に相当する証明書を発行するという条例案はちょっと前に話題になった。

ネットの話題を取り上げるNHKの番組「NEWS WEB」でも扱われていた。
この番組は画面の下部にリアルタイムでツイートが流れてくるのだが、半分まではいかないが3分の1以上くらいの割合で否定的な意見がどんどん流れてきた。
「少子化に拍車がかかる」「家族というものがどんどん壊される」とかそんな感じ。
他人が同性とパートナーになることで壊れる家族って、同性愛者は超能力者かよ、ってレベルだ。
そんな家族は、もうとっくにダメになってんだから、目をそらし続けても仕方ないだろ。

こういう何の根拠もない差別発言を普通に弾きもせず流すっていうスタンスにがっくりきたが(多分、差別発言って意識もなく、多様な意見の一つって感じなんだろう…)、何の知識もないよくわかんないマイノリティに少子化や家庭崩壊の責任をなすりつけることで、古き良きものを大事にする自分が一言物言ってやった!って気分になれるんだろうなぁ、って白けた気分でみていた。

腐るほどいるヘテロセクシュアルの人々に比べればほんのちょっとだけの同性カップルに少子化云々なんて文句言う暇があるなら、ヘテロの人たちが子供を産みやすい環境つくってあげればいいのに。
結局、そんな具体的な対策とかは本当はなんの興味もなくて、ただ気に入らないから適当な理由で差別したいってだけなんだよな。
少子化とか家族とか生物学的にとか、そういうワードを建前にすればドヤ顔で同性愛を否定しやすいのだろう。


しかし、私は都会に住んでるわけでもないし、パートナーがいるわけでもないし、もともと今の結婚制度にはあんま賛同できるものもないし、更に同性愛関連の恋愛至上主義的なものが加速しそうだなって気持ちもあるので、自分には縁のない他人ごとに感じるニュースではある。

あと気になるのは、渋谷区は年末年始での公園閉鎖でボランティアの炊き出しが不可能になったり、ホームレスへの排除姿勢が顕著だったわけだが、このリンク先ではちょっと目を疑うようなことを渋谷区議員がなぜか得意気に語っている。

もう一つは企業を巻き込むというやり方で、ホームレスが寝泊まりして児童公園として活用できなかった場所を、ナイキに働きかけてバスケットコートなどを整備してもらった。ちょうどマイケル・ジョーダンが来日するというので「マイケル・ジョーダン・メモリアルコート」という名前にして、企業は宣伝になるし、渋谷区はやっぱり税金を使わないで今度は公園が整備できたのです。

次の街づくりのキーワードはダイバーシティで、パラリンピックが日本に来たら、それが普通になるかもしれないですね。LGBTの人なども、うまく活用できないかということも考えています

こういう発言を見ていると、今回の条例案も人権的な問題点の改善ではなく、こいつらちょっと便利に使えるから証明書発行してやろうみたいなそういう理由なわけ?っていう疑念がものすごくわいてくる。

今回はオリンピックという国際イベントがあるからLGBTを気にかけてますよって姿勢を見せる必要もあるし、やつらは金にもなりそうだからちょっとお情けかけてやるか、みたいなさ。

そして、このお情けを有難がることでLGBTなどの界隈で渋谷区の行政姿勢を批判しにくくなるみたいな、そういうのが怖いと感じている。

だから、あんまり目出度い一辺倒では喜べないものが背景に色々潜んでる条例案だな、ってのが正直なところ。

差別と教育と私

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