田舎で底辺暮らし

孤独に生きながら雑多にあれこれ書いてます。

Netflix「ラチェッド」の感想

f:id:pokonan:20201112032656j:plain
サラ・ポールソン主演のNetflixのオリジナルシリーズ。
映画『カッコーの巣の上で』に登場した看護師長ラチェッドの前日譚ということなのですが、私は映画の方はあらすじを読んだくらいで別に知ってなくても問題なかったです。

カッコーの巣の上で (字幕版)

カッコーの巣の上で (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video


不幸な生い立ちから生き別れて、その後殺人犯になった弟を救うために、捕まった弟が収容されている精神病院にラチェッドはナースとして潜入するけど、病院もヤバいし弟もヤバいしラチェッド本人もかなりヤバい…って感じの話。

総指揮の人がアメリカン・ホラー・ストーリーと同一で、さらに主演のサラ・ポールソンも総指揮に加わっています。
なので、アメホラと雰囲気が結構似ていますが、ラチェッドは一応ホラーではないかな?(グロ要素はあるし不穏な空気ではあるけど)。

まず、言っておくとこれはレズビアンドラマでもあります。
ラチェッドはもちろん、彼女の恋人になるグウェンドリン、精神科に「治療」されるために入院してきたレズビアンたちなど、1947年頃の同性愛者たちの姿を描いています。
弟のためにかなり冷酷な行動に出るラチェッドですけど、一方で知り合ったグウェンドリンと色々駆け引きして盛り上がったり喧嘩したり本気でラブロマンスしてて、また病院の女性たちに対して凄く思いやりのある行動に出たり、なんとも言えない二面性のある不思議な人物で魅力的なんですよね。
ロマンス要素が結構多いので、見てて驚きました。

あと、何が面白いって出てくる男がめっちゃ容赦なく殺されます(笑)
見てて笑えるくらい容赦ないです。
私が見たかったのはこういうのだよ~って感じで満足。

そして、何よりレズビアンが死なない!(超重要)
制作の段階ではレズビアンが亡くなるシーンがあったようですが、出演者たちが変更を訴えてなくなったとか。
もう、レズビアン死亡症候群はうんざりですからね。
なので、その点で心配している人は安心して見てください。
あと、めっちゃシュールなヘテロセックスシーンがあるけど、のちのち相手のおっさんは酷い目にあうので、そこも前フリと思って楽しんでくださいw

ラチェッドと主任との桃バトルは昼飯の桃のやり取りでここまで印象に残すのが超笑えるし、演者の技量とか見どころです。
二人の関係もただのキャットファイトではなく、いい方向に転がっていきますし。

他にもあの年代のファッションとか車がすごい可愛いので、そういうのでも目が楽しいです。撮り方もオシャレ。

ある程度グロいのが大丈夫で、サイコサスペンス的なものが好きな人は間違いなく楽しめると思います。
実際に、Netflixのオリジナルシリーズとして今年最大の視聴数を稼いだようで、S2の制作も決定しているとか。

配信されてからわりとすぐに見たのですが、感想をまとめるのが遅れました。
レズビアン作品にまたいい作品が増えたなと単純にそれが嬉しいです。

で、これは余談ですが、Netflixはレズビアンを「レズ」と訳す本当にだめだめな字幕がよく出るんですけど、今作もひどかった。
吹き替えでは同性愛者と言ってるのに、字幕版は本当に最悪でした。
翻訳者はレズビアンに家でも燃やされたのか?ってくらい何度も出てきて、悪意ある字幕でしたよ。
腹が立って、動画から問題を報告したりしていたのですが、とりあえず現在は一部改善されてはいるようです。
オリジナルのセリフがレズビアンに対しての蔑称を安易に使わないよう気を使ってたのに、字幕でこんな雑なことされると本当台無しになるので、ちゃんとして欲しいもんです。