田舎で底辺暮らし

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フェミニズムが色濃いコメディドラマ「マーベラス・ミセス・メイゼル」の感想

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先日、Amazonプライムに加入してみたんですが、それでたまたま見てみたのがAmazonオリジナルシリーズの「マーベラス・ミセス・メイゼル」というドラマ。
公開されてるS3まで一気に見ました。

大学卒業後、すぐに結婚していまは小さな二人の子供がいるお金持ちなユダヤ人のミッジ・メイゼルが主人公。
頭の回転が速くお喋り好きな主婦。
夫も親のコネで会社の副社長をやってるけど、コメディアンになることが夢で小さな舞台で微妙なネタを披露しているんだけど、ミッジは使えそうなネタを逐一メモしたり夫がいい時間帯に舞台に立てるように「賄賂」を渡したり、裏方としてそれを支えている。
ある日、夫が舞台上の失態をミッジに責任転嫁して大喧嘩。夫は自分の浮気まで暴露して被害者面して家を出ていく。
ミッジは自暴自棄になって酔っ払いながら、夫が立っていた舞台にふらふらと立ち寄りあれこれぶちまけるけど、それが客に大ウケ。
その店の店員、スージーという目利きのおばちゃんにお笑いの才能を見いだされ、女がコメディアンなんてなれるはずないという1960年代に、二人でコメディアンとしてスターを目指すという話。

「ギルモア・ガールズ」を手掛けたエイミー・シャーマン=パラディーノが監督・脚本を担当しているとか。
確かに家族の関係とか、お金持ちな感じの雰囲気とかコミカルさとか作品全体の雰囲気としてギルモア・ガールズっぽい感じがある。

それまで、何不自由なくお金持ちの美しい妻であることに何の疑問も持たず徹してきたミッジが、コメディアンになることを目指し自立していくことで、家父長制意識の強い父親、トロフィーワイフで強烈なルッキズムを持ち娘にもその生き方を強いてきた母親の変化も見どころ。

思ってた以上にフェミニズム色が強くて、これは嬉しい誤算だった。
男性芸人とか舞台のオーナーに女だからって舐められたり、嫌がらせをうけることもあるんだけど、それを舞台上からネタにして笑いを何倍も取ってやりかえすのがミッジ。
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基本はコメディで重すぎなくて見やすいし、私生活でもステージでのネタでもフェミニズム精神溢れる高いクオリティのドラマとして楽しめる。

何より、第二の主人公であるスージーが最高!
常に革ジャン羽織って男にというか小僧に間違えられる口の悪い年齢不詳なおばちゃんなんだけど、主人公の才能に惚れ込んでいて、コメディアンになれとミッジの背中を押してマネージャーになって濃い絆を築いていく。
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ミッジがアッパークラスな生活してるのとは対象的で、スージーは独り身で貧乏で貧困層のひどい家庭で育ってきたという人。
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こんな二人がバディになるんだから、面白くないわけない。
ミッジは私生活を面白おかしくネタにする即興タイプの芸風で、それ故に芸能界では敵を作りがちなんだけど、その尻拭いをするのがマネージャー。
それでも、ミッジの芸風を否定することなく、そのままのあんたが面白いと信頼してくれてるのがスージー。
ミッジがステージに立てるようにあちこち奔走し、喧嘩っ早いスージーもトラブルを招きがちだが、そうやって二人で成長していきながらミッジのためならと頭を下げるのが泣ける。
お互い遠慮がないから喧嘩もするんだけど、それでも離れられない(笑
この二人がもうなんかめっちゃ百合なんだよ…!
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波乱万丈の芸能界で山あり谷ありだけど、そのたびに二人の絆が深まっててヤバい。

あと、いい意味で金掛かってんなぁというのをすごい感じる。
時代設定のレトロな街の再現もすごいし、ミッジが金持ちでお洒落が大好きなので、その時代のファッションを存分に楽しめる。
夏場はリゾート地に出かけたり(ここにスージーが潜り込んでくるけどこれも面白い)、巡業ででっかいホテルに泊まったり、そのときのエキストラの大盤振る舞いというか、金持ちであることの演出にケチが見えないとこが気持ちいい。

難点はミッジの夫に関してなんだけど、子供もいるしミッジとこの夫とは切っても切れない関係という感じで続いていく。
ハンサムというわけでもなく、とにかく打たれ弱くて何も長続きせず自分で何もかもぶっ壊しといてミッジに責任をなすりつけるというクズ男なので、何が魅力なのかさっぱり分からないという、女性がこれだけ魅力的なのに…というヘテロものではよくあるパターン。
もうここは割り切って軽く流しながら見る程度でいいかも。

ネタとしての下ネタは結構強烈だけど、セックスシーンは直前で場面転換したり朝チュンなどで匂わせるくらいなので、個人的には露骨なラブシーンがなくてありがたかった。

スージーには恋愛絡みのシーンは全く無いが、それで十分キャラが立ってて魅力的で、そこも評価したい。
S4の制作も決定しているらしいし、楽しみ。

パイロット

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